洗濯物を、畳むのをやめた

暮らし家電

ドラム式は、妻が欲しいと言った。
正直、安い買い物ではなかった。
自分から言い出すような物でもなかったし、値段を見て一瞬は迷った。
ただ、干す作業がなくなるなら——それだけで、いいと思った。
それで、買った。

これは、ドラム式洗濯機のレビューではない。
干す作業が消えたあとに、まだ残っていた「畳む」をやめた話だ。

干す、はたしかに消えた

買って、まず消えたのは「干す」だった。
洗って、乾かすまで、機械が一人でやってくれる。
ベランダに出る回数も、空を見上げて天気を気にする時間も、ずいぶん減った。
取り込み忘れて、夜にあわてることもなくなった。
ここまでは、想像していたとおりだった。

その話は前に書いた → ドラム式洗濯機を買ったら、時間が増えた

でも、たたむのが残っていた

想像していなかったのは、その後だ。
乾いた服が、まとめて出てくる。
ふわふわで、温かい。
それを——畳む。
干す手間は消えたのに、「畳んでしまう」作業は、まるごと残っていた。

しかも、これが地味に重い。
すぐやればいいのに、つい後回しにする。
とりあえず床に投げて、そのままにする。
気づくと、乾いた服が床で山になっている。
3歳の息子の服だけ妙に小さくて、その山に埋もれている。
夜、それを崩しながら、ぼんやり畳む。
洗濯は、終わっていなかった。
終わったように見えていただけだった。

機械を入れても、最後に人間が整える工程が残る。
俺にとって、その最後の工程が「畳む」だった。

洗濯機の上に、棚を置いた

ある日、洗濯機の上に棚を置いた。
たいそうな物じゃない。ありもののラックだ。
乾いた服は、畳まずにそこへ放る。
シャツ、タオル、子どもの服。
種類だけ分けて放る。
着るときは、そこから取る。
それで、洗濯は本当に終わりになった。

収納をきれいにしたわけではない。
畳まなくても回る場所を作っただけだ。

畳まなくても、困らなかった

畳まないと、最初は少しだらしない気もした。
ちゃんとしていない、という感じが、どこかに残る。
でも、やってみると、誰も困らなかった。
シワになると困る服だけ、ハンガーにかける。
あとは、放るだけ。
「きちんと畳まなきゃ」を、ひとつ下ろした感じだった。

畳むことが目的だったわけじゃなかった。
そういうものだと思っていた、だけだった。

高い家電より、小さい棚で終わることもある

高い家電を入れて、干す作業が消えた。
棚を一つ置いて、畳む作業が消えた。
楽になったのは、たぶん家電のおかげだけじゃない。
やらなくてもよかったことを、ひとつずつ手放しただけだ。
また一つ、残っていたものを減らした。

家事は、道具を買うだけでは終わらない。
最後に残った「当たり前」をやめると、もう一段軽くなることがある。

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