「動線から物を排除した」。掃除しない家をつくるために捨てたもの

暮らし家電

ロボット掃除機を買えば、掃除は終わると思っていた。
40代になって、家事の判断を減らしたくてルンバを導入した。
それでも、床には掃除機が入れない物が残っていた。

物をどかしてから掃除機をかける。
その「どかす」判断が、結局いちばん疲れる作業だった。

掃除機を3台使っても、まだ足りなかった話

ルンバを買った日、これで掃除は終わると思っていた。
実際には、床拭き用のブラーバも手放せなかった。
コードレスのダイソンも、結局そのまま残った。

3台を使い分けるようになって気づいたことがある。
掃除機を増やしても、掃除という作業自体は減らなかった。

減っていたのは「手で掃く回数」だけだった。
「片付ける判断」は、そのまま残っていた。

床に置いてあるカバン、脱いだ上着、子どものおもちゃ。
どかしてからルンバを走らせる、という一手間は消えなかった。

出発前にルンバのスイッチを押すだけのはずが、毎回リビングを1周して物をどかしてから出社していた。
道具を足しても、判断は消えない。
むしろ道具が増えるたびに、管理する対象が増えていた。

掃除がうまくいかない理由は、物を減らしていないことだった

掃除が続かないのは、やり方が下手だからだと思っていた。
時短家電を足せば、いつか楽になると思っていた。

ちがった。

床に物が多いと、掃除の前に「どかす」という判断が発生する。
片付けてから掃除する、という順番そのものが疲れの正体だった。

40代になって、家に帰ってからの体力はもう昔ほど残っていない。
掃除の腕を上げる努力より、掃除しなくていい状態を先に作る方が早いと気づいた。

物を減らせば、どかす判断が消える。
掃除の前工程がなくなれば、掃除自体のハードルが下がる。

物を減らすことは、ミニマリズムの主張じゃない。
判断を減らすための、ただの設計だった。

「自分の持ち物は全部クローゼットに収まる量にする」と決めた

物を減らす、と決めても、基準がないと際限なく迷う。
迷うこと自体が、また新しい判断疲れになる。

俺は基準を1つだけ決めた。
自分の持ち物は、全部クローゼット1つに収まる量にする。

クローゼットに入らなければ、それは持ちすぎだということにした。
「いつか使うかもしれない」を判断材料から外した。

基準を1つにしたら、迷う時間がなくなった。
入るか、入らないか。それだけで判断できるようになった。

うちのクローゼットは、決して広くない。
広いクローゼットを基準にしたら、結局また物が増える。
今ある大きさで収まる量、という制約ごと決めたのがよかった。

服、本、雑貨を同じ基準で減らした

服は、クローゼットに入らない分を捨てた。
着るかどうかより、収まるかどうかで判断した。

本は紙をやめて、電子書籍に移した。
本棚1本分がまるごと消えて、床に物を置く場所が1つ減った。

雑貨は「1年使っていないものは捨てる」というルールにした。
説明書、もらいもの、なんとなく置いていた小物。
1年という区切りを決めただけで、迷わず判断できるようになった。

「思い出があるから」を理由にすると、何も捨てられなくなる。
1年使ったかどうか、という事実だけを見るようにした。
気持ちを判断材料にしないだけで、驚くほど手が止まらなくなった。

服も本も雑貨も、ジャンルは違う。
でも「クローゼットに収まるか」「1年使ったか」という1本のルールで、全部同じように判断できた。
ジャンルごとに基準を作っていたら、たぶん今も迷っていた。

減らしたら、掃除そのものを考える回数が減った

物を減らしてから、床に置いてあるものがほとんどなくなった。
掃除機をかける前の「どかす」作業が、消えた。

気づいたら、掃除機をかけるタイミングを迷わなくなっていた。
物がないから、床が汚れているかどうかがすぐわかる。

汚れが見えたら、すぐかける。
それだけで済むようになった。

掃除の頻度は、たぶん増えた。
それでも、掃除にかかる労力は明らかに減った。

「片付けてから掃除する」という2段階が、「掃除するだけ」の1段階になった。

ルンバのスイッチも、迷わず押せるようになった。
床に何もないから、どかす手順を挟まずに済む。
物を減らしたことが、結果的に3台の道具の力をやっと引き出した形になった。

「掃除をがんばる」から「掃除をしなくていい家」へ

掃除がうまくなったわけじゃない。
物を減らしたら、掃除するかどうかを考える回数自体が減った。

掃除機を増やしたときは変わらなかったものが、物を減らしたら変わった。
道具の問題じゃなかった。
床に何を置くか、という判断の問題だった。

40代になって、掃除をがんばる体力は正直もうない。
がんばらなくていい状態を、先に作っておく方が俺には合っていた。

動線から物を排除する。
それだけで、掃除しない家に近づいた。

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