夕方、帰り道で「今日何作ろう」と考えていないか。
ホットクックを買った。食洗機も導入した。
それでも「何を作るか」を決めるのは、自分のままだ。
家電は調理の手間を省く。
献立を決める手間は省かない。
そこに気づいたとき、俺は「考えるのをやめる設計」を試した。
4〜5パターンを決めて、ぐるぐる回す。
メニューを考えない。スーパーで迷わない。
妻との「今日何買えばいい?」もなくなった。
難しい話じゃない。
発想を一つ持ち帰るだけでいい。
「今日何作るか」は、毎日くる消耗だ
仕事から帰って、まず何を考えるか。
靴を脱ぐ前から「今日の夕飯」が頭に浮かぶ。
毎日くる。なくならない。 「大した悩みじゃない」と思っていた。
でも毎日続くと、じわじわ気力を削ってくる。
夕方が一番きつい時間帯に、一番重い判断が来る
トラック乗りの帰り道は、頭がすでにいっぱいだ。
走行距離、荷物の状態、明日の配送ルート。
頭の中のバッファが、ほぼ埋まった状態で帰ってくる。
そこに「今日何作ろう」が来る。
スーパーに寄るべきか。冷蔵庫に何があったか。
昨日が肉だったから今日は魚にすべきか。
息子が嫌いなものは避けたい。
ひとつひとつは小さな判断だ。
でも重なると重い。
一番くたびれた時間に、一番面倒な判断をしている。
これが毎日続いている。
疲れた頭で、献立を考えている。
栄養バランスを考えようとすると一気に詰む
「ちゃんとしたものを作らなきゃ」と思った瞬間、詰む。
昨日は揚げ物だったから今日は野菜多め。
息子に魚を食べさせたい。
タンパク質も摂らないと。
考え始めると止まらない。 でも結論が出ないまま時間だけが過ぎる。
最終的に「まあカレーでいいか」になる。
カレーはカレーで好きだけど、詰んだ末のカレーは少し虚しい。
毎日「正解の献立」を探そうとするから詰む。
毎日正解を探す必要はないのに、考え始めると「正解探し」になってしまう。
栄養より先に、「今日何作るか」から抜け出す必要がある。
ホットクックを買っても「何を作るか」は解決しない
ホットクックを買った理由は、料理を楽にするためだ。
実際に楽になった。
鍋の前に立ちっぱなしにならなくていい。 仕上げをほったらかしにできる。
でも、気づいた。
ホットクックは「調理」を楽にする。
「決定」は楽にしない。
「今日ホットクックで何を作るか」は、まだ自分で考えなければならない。
食材を買ってくるのも自分だ。 献立を決める上流の部分は、何も変わっていなかった。
便利な道具を手に入れた。 でも使い切れていない感覚があった。
家電は「作る手間」を省く。「決める手間」は省かない。
週3パターン回しとは何か
「週3パターン回し」と聞いて、難しそうだと思った人は安心してほしい。
メニューを数パターン決めて、それをぐるぐる回すだけだ。
曜日に縛られない。
栄養バランスを毎回考えない。
「今日は何番の番か」を確認するだけで、夕食の献立が決まる。
設計はシンプルなほど続く。
曜日固定ではなく「3種ローテーション」で回す
最初に「曜日ごとに固定しよう」と考えた。
月曜はカレー、火曜は麺、という具合に。
でも崩れる。 月曜に残業が入っただけで、リズムが一瞬で壊れる。
曜日に縛るから脆い。
たどり着いたのは「曜日ではなくローテーション」だ。
丼→麺→鍋系、という順番だけ決める。
月曜かどうかは関係ない。
今日は丼の番だから、親子丼を作る。
次は麺の番だから、うどんを作る。
それだけだ。
曜日は崩れる。残業ひとつで簡単にズレる。
でも「次のパターン」は自分で決められる。 そこだけ管理すればいい。
ローテーションは、崩れても次から再開できる。
俺の実際のパターン
実際に回しているのは4〜5パターンだ。
– カレー(2日続けて食べる) – 煮魚定食 – 焼き鳥定食 – 焼きそば
これだけ。
「少なくない?」と思うかもしれない。
でも40代の夕食に、毎日違うメニューは要らない。
仕事帰りに求めているのは、うまいメシじゃなく「決まっていること」だ。
カレーは2日続ける設計にしている。
初日に多めに作り、翌日は温めるだけ。
2日分の献立が1回の調理で終わる計算だ。
4パターンあれば、飽きない。
5パターン以上は、管理が面倒になる。
ちょうどいい数が、続く理由だ。
パターンは少ないほど、考えなくて済む。
パターンが固まってから、買い物も変わった。
4パターンが決まれば、必要な食材も決まる。
毎週だいたい同じものを買えばいい。
週1回、まとめて買えば足りる。
「今日足りないから今日行く」が消えた。
スーパーも1軒に絞った。
妻が買い物に行く日も、俺が行く日も、同じものが買える。
「今日何買えばいい?」という相談がなくなった。
なくなって初めて気づいた。 あれも判断のひとつだった。
ただ、1回やらかした。
冷蔵庫を確認せずに買い物に行った。
帰ったら、肉もじゃがいもも残っていなかった。
カレーの予定だった日に、カレーが作れなかった。
パターン化の死角がそこだった。
在庫確認だけは、誰も自動化してくれない。
ゆるくていい。完璧なパターンはいらない
「パターン以外を食べてはいけない」という話じゃない。
ルールじゃなく、デフォルトの話だ。
デフォルトとは「何も考えなければそれになる」状態のこと。
パターンを決めておくと、考えなければ自動的に答えが出る。
外食の日もある。
疲れすぎてテイクアウトで済ませる日もある。
宅食を使う日もある。 それでいい。
パターンから外れた日は「失敗」じゃなく「イレギュラー」だ。
次の日からまたローテーションに戻ればいい。
完璧に回そうとした瞬間、しんどくなる。
80点で続けることを前提にした設計の話をしている。
考えなくていい夕方があるだけで、人はかなり楽になる。
パターン化すると何が消えるか
「パターン化なんて、そんなに変わるか?」 正直、最初はそう思っていた。
でも実際に回してみると、消えるものがいくつかあった。
「考える時間」だけじゃない。
夕方の頭の状態が、少しずつ変わっていった。
「何作ろう」と考える時間がなくなる
パターンを決めて、一番に感じたのがこれだ。
「今日は何番か」を確認するだけで、夕食が決まる。
選ばない。考えない。調べない。
仕事帰りの車の中で「今日はカレーの番だな」と思う。 それで終わる。
スーパーに寄って、いつもの棚に向かう。
以前は「何作ろう」の答えが出ないまま、スーパーをぐるぐる歩いていた。
今はそれがない。
判断していないから、消耗もしていない。
決めない夕方は、静かだ。
夕方の頭の余力が、変わった
「料理を考えるくらい大したことない」と思っていた。
でも積み重なると、違う。
以前は「何作るか考える」→「食材確認」→「買い物」→「調理」だった。
今は「パターン確認」→「在庫確認」→「買い物」→「調理」になっている。
考える工程が減った。
最初のステップがなくなっただけ。
でもそれが一番重かった。
脳の余力は、何を使うかより何を省くかで決まる気がしている。
省いた判断が、別のことに使える。
息子との時間が変わった
3歳の息子がいる。
帰ってから寝かしつけまでの時間は、短い。
以前は帰宅後、頭の半分が夕食に使われていた。
「何作ろう」「食材あったっけ」「洗い物どうしよう」。
息子の話を聞いているようで、聞けていない時間があった。
今は違う。 夕食が決まっているから、帰り道で頭が空いている。
玄関を開けたときの余力が、少し増えた。
料理の問題だと思っていた。 ちがった。決める問題だった。
疲れていたのは、料理じゃなかった。毎日「決め続けること」だった。
うまく回すためのコツ
パターン固定を始めたとき、最初から完璧に回そうとして失敗した。
メニューを5つ以上リストアップして、曜日ごとに割り当てようとした。
3日で崩れた。 コツはシンプルだ。
最初から少なく、ゆるく設計する。
最初は2パターンからでいい
「4パターン決めなきゃ」と思わなくていい。
最初は2つで十分だ。
俺も最初はカレーと焼きそばだけだった。
それを交互に繰り返した。
飽きたら3つ目を足す。
3つ目が定着したら4つ目を考える。
そのくらいのペースで増やせばいい。
最初から「完璧なパターン表」を作ろうとすると、設計に疲れる。
続けることより、始めることの方が先だ。
まず2つ決める。それだけで今日の夕食は終わる。
食材の差し替えでバリエーションを出す
「同じパターンだと飽きない?」とよく聞かれる。
飽きない。食材を変えているから。
カレーは鶏でも豚でもひき肉でも作れる。
焼き鳥定食はもも肉でもむね肉でも豚バラでも変化が出る。
パターンは変えない。 食材だけ変える。
この使い分けが、飽きを防ぐ。
「何を作るか」ではなく「何を入れるか」に考えを絞るだけだ。
思考の幅が一段狭くなる。
型を変えない。中身だけ変える。それが続く設計だ。
ホットクックと組み合わせると、調理まで手が離れる
パターンが固まると、次のステップが見えてくる。
「決める」を終えたら、次は「作る」を楽にする番だ。
俺の場合、煮魚定食と鍋系をホットクックに任せた。
食材をセットして、ボタンを押す。
あとは放置で完成する。
焼き鳥定食はヘルシオが焼く。
温め直しもレンジ代わりにヘルシオで済む。
フライパンを出すのは、焼きそばのときだけだ。
家電で調理の大半がカバーできている。
「何を作るか」は決まっている。 「どうやって作るか」もほぼ機械が担っている。
考えることがゼロになった。
パターン固定は「上流の設計」だ。 ホットクックはその下流を受け持つ。
この2つが揃うと、夕食の意思決定がほぼなくなる。
上流を固めると、下流は自動で動く。
まとめ|料理より「決める回数」を削る設計
献立を考えるのをやめた、というのは「料理をサボる」話じゃない。
判断の回数を設計で減らす話だ。
作るものを決めておく。
食材を決めておく。買い物を週1にする。
それだけで、夕方の頭はかなり静かになる。
「手を抜く」じゃなく「設計する」
「パターン固定は手抜きだ」と感じる人がいるかもしれない。
でも違う。
手を抜いているんじゃなく、考える場所を選んでいる。
仕事でも、子供との時間でも、脳の使いどころはある。
夕食の献立に毎日消耗する必要はない。
「何を食べるか」は健康と関係ある。
でも「何を作るか」を毎日悩み続けることは、健康に良くない。
そこだけ設計で省けばいい。
料理が嫌いになったわけじゃない。
決めることに疲れていただけだった。
夕飯の献立より、家族との時間に頭を使いたかった。
続く理由は、完璧じゃないから
パターン固定は、崩れても終わらない。
そこが一番の強みだと思っている。
外食した日、テイクアウトの日、宅食を使った日。
全部「イレギュラー」として処理できる。
次の日からまたローテーションに戻るだけだ。
完璧に回そうとしない。
例外があっていい。
その設計が、3ヶ月・半年と続く理由になる。
「続けられる設計」と「完璧な設計」は、別物だ。
40代の夕食に求めているのは、点数じゃない。 続くことだ。
80点で続く設計が、100点で終わる設計より強い。
次のステップ
パターンが決まったら、次は「作る」を楽にする番だ。
ホットクックは、その一つの答えだ。 鍋・汁物系をセットして放置する。
調理の時間が浮く。
パターン固定で「何を作るか」を省く。
ホットクックで「どうやって作るか」を省く。
この2つが揃うと、夕食の負担がほぼゼロになる。
まだホットクックを使っていない人は、こちらも読んでほしい。
献立を固定すると、「今日何作ろう」はかなり減った。
でも、まだ残ったものがあった。
何を買うか。
次は、その買い物の判断を減らせるか試した話。
→ 買い物の判断を減らす実験。献立を固定しても残った「何を買うか」
全体像はこちら → 暮らし家電、まずこの3つだけでいい
設計は、重ねるほど静かになる。
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